5回も姿を変えた札幌駅

現在北海道の政治・経済・文化の中心地として栄える札幌市は、便利な都市機能と豊かな自然が調和している街として、世界からも注目を集めている日本を代表する大都市の1つです

札幌市は中心部から30分ほどで行けるお手軽な人気観光・グルメスポットが多数存在あり、初めて札幌市を訪れた方や出張時に仕事の合間に観光を楽しみたい方にとって、こうした駅から程近い場所に多くの人気観光・グルメスポットがあることはとても魅力的なことです。

特に1880年11月に手宮(小樽市)から札幌間に開通した幌内鉄道の終点として開業した札幌停車場は、現在札幌市に住む方々の生活を支える重要な拠点となっている「札幌駅」の前身であり、時代の流れと共にその姿を変化させてゆき、2003年にはJRタワーを含む一連の再開発施設の完成によって5代目となる札幌駅が誕生、2011年には雨や雪が降る日でもスムーズな移動ができるようにと新生札幌駅周辺地域と大通・すすきの地区を地下で結んだ札幌駅前通地下歩行空間が開通し、より気軽に札幌市全体のまち巡りが楽しめるようになりました。

今では札幌市の人気観光スポットの1つに数えられている5代目札幌駅ですが、昔の札幌駅のことを知っている年配者の方々にとって現在の札幌駅の姿を見ると心がキュッと切なくなるそうです。

なぜ、札幌駅は5回も姿を変える必要があったのでしょうか。

現在の札幌駅

札幌駅の歴史と変化

1880年11月に幌内鉄道の終点として開業した札幌駅は、当初仮設駅として建てたものであったため、1881年12月に211.3坪の広さに木造平屋建ての新しい駅舎を造り、翌年1月から駅として本格的な利用が始まりました。
そして、同年6月から札幌から江別まで、同年12月には幌内(三笠市)までの区間、春季から秋期までの期間限定で運行がスタートすることとなり、この地域に住む大勢の住民たちの足として大活躍していたそうです。
ただ、当時は「札幌駅」という名ではなく、札幌停車場などと呼ばれていたと言われています。

その後、民営化によって札幌駅は1888年に北有社を経て1889年に北海道炭礦鉄道の手に渡り、冬期の営業が廃止され、札幌市の発展と共に駅舎の改修や増築がされてゆきます。
しかし、1907年10月に大きく成長を遂げた札幌駅が火災を被ったことで1908年に建て替え工事が行われ、同年12月には838坪の広さに3代目となる木造2階建ての札幌駅が造られました。
このとき建てられた3代目札幌駅は、とてもオシャレな洋風建築物として注目を集めたと言われています。
現在3代目札幌駅は野幌森林公園内にある北海道開拓の村に復元されており、なんと同施設の正門として観光客をお出迎えしています。

1910年、札幌石材馬車鉄道によって北5条通経由で札幌駅前まで延伸され、駅前通にも軌道が敷かれるようになります。1918年には大規模な改軌や電化が行われたことで、札幌電気軌道停公線(札幌市電西4丁目線)が開業し、1927年には同北5条線が開業しました。

その後、3代目札幌駅の南側に駅以外の店舗と複合する民衆駅として4代目札幌駅の計画が持ち上がり、1951年に着工し、翌年には地下1階、地上4階の鉄筋コンクリート建築の立派な駅舎が誕生しました。
完成したばかりの4代目札幌駅の地下にはステーションデパートを、地上1階と2階の一部には駅を、2階から4階は業務用として利用されていたのですが、1958年に貨物の取扱を取り止め、旅客・荷物専用駅となり、3代目札幌駅撤去跡には新たに1番・2番線が設けられ、より多くの人や荷物の運搬ができるようになりました。
そして、1965年に4代目札幌駅は地上5階建てへと増築され、さらに南北線のさっぽろ駅と改札を隔てて連絡ができるようにと、1971年に札幌市営地下鉄を開業させ、駅前を通る市電の運行が廃止されました。

その後、1972年に「札幌駅名店街 (現・アピア)」が、1978年には札幌駅東口に接するかたちで「札幌エスタ」を開業させ、札幌駅周辺は地元住民だけではなく、青函連絡船を乗り継いで本州方面からやってきた観光客たちも大勢訪れていたため、当時の札幌駅は大賑わいだったと言います。

しかし、1977年頃から短時間で本州と北海道を往来することができる航空機を利用する観光客が増えたため、札幌駅を訪れる観光客が減少し始めます。

1987年4月、国鉄分割民営化に伴い、4代目札幌駅が北海道旅客鉄道(JR北海道)へと承継されると、1988年11月に高架化第一次開業と共に複合商業施設「パセオ」がオープンし、函館本線の琴似駅から札幌駅間の高架化に伴い札幌駅から苗穂駅間の複々線化が行われました。
1990年9月、札幌駅の全面高架化が完了し、その後11番仮設ホームが解体されて駅舎北側外観を完成させると共に北口広場の整備が始められました。

現在11番ホームへの連絡道は9番・10番線へ向かう階段の北側に壁が設置されており、通ることは出来ませんが、将来的には北海道新幹線開業時に合わせて拡張工事後に再利用できるようになっています。

その後、4代目札幌駅は1995年頃まで旧ホーム跡地を劇場「JRシアター」やイベントスペースとして利用したり、西側のスペースを月極駐車場として運用していたのですが、1996年になると札幌駅周辺の再開発計画が浮上し、旧駅舎とホーム跡地に商業施設の建設地として利用されることになったため、同年秋より旧駅舎の解体撤去が始まりました。そして、1999年末より旧駅ホーム跡地に建設されていた月極駐車場などを閉鎖し、本格的な再開発が行われ、2003年遂にJRタワーを含む一連の再開発施設「5代目札幌駅」が完成し、南口駅舎本体が商業施設内に隠れるかたちとなりました。

地上駅時代に駅舎が設置されていた場所は、現在南口広場の一部となっており、南口における高架駅開業当時の面影は完全に失われています。
そのため、地上駅時代の札幌駅を知る年配者の方々は、5代目札幌駅の姿を見ると少し寂しい気持ちになるそうですが、世界一の街を目指して北海道開拓を行った島義勇氏と同じく、札幌市に住む年配者の方々も札幌市が世界一の街になるならばと、5代目札幌駅の今後の繁栄に期待しているそうです。

なんども立て替えを繰り返した札幌駅

現在の札幌駅周辺の魅力とは?

札幌駅周辺の再開発によって2003年に誕生した駅ビル「JRタワー」は、現在札幌市民のあいだで「サツエキ」という愛称で親しまれており、なんと最近では国内外から北海道へと観光で訪れる方々のあいだでも大人気の観光スポットとして注目を集めています。

2013年に開業10周年を迎えたJRタワーは、東ブロック・中央ブロック・西ブロックの3つに分けられており、東ブロックは地上38階、地下1階の全39階建てのタワー棟となっており、地下1階から6階までは「札幌ステラプレイス イースト」、7階から20階は「JRタワーオフィスプラザ さっぽろ」(7階から8階には各種医療機関が入居する医療モールがあります)、高層部となる22階から36階は「JRタワーホテル日航札幌」、最上階となる38階は「JRタワー展望室『T38』」があります。
東ブロックには地下1階・2階・6階の各フロアに札幌エスタへと続く連絡通路が存在しますので、札幌エスタに行く際はわざわざ屋外に出なくても良いのが嬉しいですね。

中央ブロックは、地上9階、地下1階の全10階建てとなっており、5代目札幌駅の出入り口(東通り南口・西通り南口)としての機能を兼ね揃えているとても重要な地点となっています。
中央ブロック内には若い女性のあいだで人気を集めているショッピングモール「札幌ステラプレイス センター」と日本発となる日本映画大手3社の共同出資によるシネマコンプレックス「札幌シネマフロンティア」があり、札幌市では定番のデートスポットとなっています。
2階の北側には東西に貫通する車路が設けられており、4階からは札幌駅の線路やホーム全体を覆う屋根の上にある平面駐車場と繋がっています。

西ブロックは、地上9階、地下4階の全13階建てとなっており、老舗百貨店「大丸札幌店」となっており、地上8階までは店舗が入っているのですが、地下2階以下は駐車場となっていますので、札幌市内に住んでいる方は駐車場が完備されている西ブロックから入ってくる方も多いそうです。

JRタワーでは2017年から2012年までの4年間の中期経営計画「JR TOWER VISTA Phase3」を策定し、4年間のあいだに札幌の街の完成度をより高めてゆくことを考えており、6つの重要な方針を定めて今後更なる事業推進を計画していることを明らかにしています。

また、札幌駅前通の真下には2011年3月12日にオープンした札幌市営地下鉄南北線さっぽろ駅と大通駅間をつなぐ地下空間「札幌駅前地下歩行空間 (通称:チ・カ・ホ)」があります。
全長およそ520mのチ・カ・ホは、歩行者専用の直線地下通路であり、1年の大半が雪で埋もれてしまう札幌市に住む人々の生活をより安全・快適にするために作られたものであり、この地下空間には地上と同じくパフォーマンスや音楽祭などのイベントが開催できる広場や公衆電話、公共トイレ、駐車場などが完備されているのですが、信号機が無いのでスムーズな移動ができるのが良いと地元の方々だけではなく、観光客からも評判を集めています。

チ・カ・ホは、利用しやすい出入り口が複数あるだけではなく、「JRタワー」にも行くことができますので、是非この機会にこの通路を利用されてみてはいかがでしょうか。

札幌の街は地下道がとても発達している

まとめ

北海道の政治・経済・文化の中心地として栄える札幌市には、国の重要文化財に指定されている「札幌市時計台」や1年を通して様々なイベントが催されている札幌市民の憩いの場「大通公園」、パワースポットとして人気の「北海道神宮」など見どころ満載の観光スポットがたくさんありますが、2003年に5代目札幌駅として生まれ変わった札幌停車場も北海道の歴史や魅力がたっぷり詰まった観光スポットでもあります。
歴史ある街には人情溢れるステキな美容室やお店がたくさんありますので、この機会に札幌駅周辺を散策してみてはいかがでしょうか。